地をはう大学院生→ポスドク→国立大特任教員→私大専任教員

はてなダイアリーから引っ越ししてきました。昔の記録です。

最近いろいろと思うところがあり、ブログをはじめることにしました。


昨年は自分にとって学ぶことの多かった年でした。

一番記憶に残っているのが、青海チベット高原での野外調査。海外で長期間の野外調査なんて初めてでした。5000mの高地、不便な環境、言語の制約。フィールドワークを得意とする指導教官から学ぶことは多かったです。さらには広大な大地に背伸びしてインフラを整備し発展する中国と、その国力・情報発信力、そしてその辺境に暮らす少数民族の姿を垣間見ることができました。

もうひとつ、年末に大きな事件が勃発しました。新政権による事業仕分けです。私の活動に関連した部分で言うと、若手研究者の雇用に直結する予算が、事業の意義を理解されないままことごとく縮減と判定されるという、まさに暴挙といっていい事件でした。全事業の15%だけが仕分けにかけられたはずが、科学技術予算のほとんどが含まれました。研究者コミュニティからはまさに前代未聞の提言ラッシュが起こりました。私も微力ながら、現場の実情を政治に関わる人たちに伝える活動をしました。

その甲斐あってか、一部の予算についてはあまり縮減されずに済んだものもありました。
この事件が日本のイノベーションを担う人たちへの冷遇を改める契機になれば、と思うのですが、そううまくは運ばないでしょう。

やはり現場を知っている人が社会に対し情報発信していくことが、政治が誤らないための一番の方法だと思うのです。
もちろんFace to faceで情報を発信することも大事です。私も議員さんや議員秘書の方などに今の日本が米国や中国と比べてどれだけ遅れているかを説明しました。やはり政治に関わる方々ですと、それなりに見識をお持ちのようでした。
しかし、それだけではだめだと思うのです。世の中を動かすのは世論の力です。何より、スポンサーかつ受益者たる国民の方の支持が無ければ、今の科学は存在していけないでしょう。国家を主なパトロンとしているからです。新たな仕組みの必要性も感じますが、それはおいおい話していこうと思います。

そんな訳で、あまり実益に直結しない研究をしている私ですが、その社会的な意義や、望ましい研究のあり方、若手研究者としての大学院生の生活などをオープンに話していけたら、と考えています。
また、個人投資家としての視点でも、思うところを述べていけたらと思います。

…まあ知り合いくらいしか見ないでしょうけど、自分の考えをまとめる場として機能したらいいな。