地をはう大学院生→ポスドク→国立大特任教員→私大専任教員

はてなダイアリーから引っ越ししてきました。昔の記録です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

コミュニケーションコストがすべて・断絶を埋める作業

ある個人のした理解・判断について、その人自身がそれを真実であると確信できることと、他人を説得し、納得させられることの間には大きな断絶がある。それは個人に権力の集中したオーナー企業が集団統治のサラリーマン企業にスピードや長期的な戦略で勝る理…

アウトプット至上主義ってどうなんだろ

世の中効率化が叫ばれて、何であれ、結果を出せないものは滅びてしまえと指差される運命にある。 しかし、そういった風潮の中で、どうも短期的な(目に見える)アウトプットばかりが過度に重要視されているような気がしてならないのだ…。 大学の生活にどっぷ…

自動車学校の教え、その2

「ダンプの運転手は恥ずかしがってトレーラーの横に車を付けたがらない」 これ、何かというと、とある運転手さんから聞いたお話。 何年も昔、自動車学校に通っていたある日、送迎のバスで運転手さんと二人だけになったことがあった。彼は昔トレーラーの運転…

出張帰還、自分の外に装置をつくる話

先週と先々週の二週間、P国の先生と2人旅をしておりました。一応先生の付き添い&お手伝いではあるけれど、標本をいっぱい見れたし、いろんな人と話ができたし、なにより先生と割と深い話ができて楽しい旅でした。 歴史や経済、社会のことを議論できるマク…

変さ値教育の弊害

私が小学校や中学校にいたころは、個性を伸ばす教育だとか、いい所を伸ばす教育、みたいなのがはやっていた。知識や学力を身につけさせようという考え方は、詰め込み教育だとか偏差値教育と呼ばれ、過去のものとされていた。当時の教育は、個人の変わったと…

黒澤明「生きものの記録」

原水爆の恐怖におびえ、家族のブラジル行を勝手に進めようとして拒絶される老人の映画。今日的な意義がありそうだと先日先輩が上映したので(途中からだけど)見たのである。 先輩は、とにかく家族の命を守りたいと思う老人の家族愛と、そんなことよりもと財…

円高・愛国的行為

海外からくる、大丈夫?的なメールはそのへんの一般人がいま日本をどう思っているかをよく示しているのである。客員教授の先生は毎日返信しないと家族が心配する…とのことで、滞在先で面倒くさいネットの設定を私とがんばる。さる人は一括返信して宛先を同じ…

ここ数日

自分は京都にいたので無事だった。でも情報を総合すると、自分と家族もこれから影響を受けることになる。もちろん被災地の人ははるかに厳しいことになっているわけで、そういう人たちの存在を考えたら気を引き締めていくほかない。 いま自分がそういった人た…

1日はだれにも平等に24時間…なわけないでしょ

「1日は誰にも平等に24時間与えられている」 とよく言われるが、これは間違いだ。 たとえば、もし自分が奴隷商人に売られてしまったら、自分の時間はほとんどないはずだ。命ぜられるままにタスクをこなす日々が続く。命がけで逃亡するか、こつこつお金をた…

みんなが外向きになったら困るでしょ

「若者は内向き」の欺瞞 すこし前のエントリーだけど、至言だなぁ、と思う。 しかし世間では内向き内向きというが、周りを見ているとあまりそうは見えないんだよなぁ。地方から都市へ、日本から海外へ、資本や企業、そして人がどんどん出て行っていないか?…

これでいいと思えることの大切さ

昨日は客員教授の先生のセミナーと懇親会。それに便乗して、午前中は研究室のメンバーによる、先生への自己紹介を兼ねた研究発表会。丸一日分のセッティングをしていたこともあって、色々不手際はあれど、とりあえず終わって一安心といったところ。レーザー…

地方は日本の「課題先進地」

田舎の不動産の広告を見ていると、一昔前なら考えられなかったような価格で中古の不動産が売りに出されていたりする。真っ当なマンションが金食い虫の古いリゾートマンションみたいな価格で投売りされているのをみると、わずかずつとはいえ人口が減少してい…