地をはう大学院生→ポスドク→国立大特任教員→私大専任教員

はてなダイアリーから引っ越ししてきました。昔の記録です。

公募戦線2回戦

この4月から私立大学で専任講師になりました。ようやく定年まで居られて、独立して研究できる立場を得ることができました。学位を取って4年で専任講師、国内の業界では最速ペースでしょうか…(業界が少し異なればもっと速い人もいますが…)。これには教育重…

大学教員公募戦線(一回戦)を振り返る

さて、多くの若手研究者と同様に、私も長らく大学教員公募戦線に挑みつづけておりました。公募に応募し始めたのは博士課程の最終学年から。結局院生時代は5か所に応募し、すべて書類落ちでした。知っている方は知っていると思いますが、大学教員の公募は多…

底辺ポスドクの仕事時間

新年度に入り、現状を把握し、仕事の効率化をはかるため仕事時間を事細かに記録している。4月に入って4週間が過ぎたのでひとまず記録を集計してみた。ちなみに集計は休憩時間のような時間を省き、実際に作業している時間だけを計測しているので、いわゆる…

すこしだけ転進

昔から不定期に続けていたこのブログだけど、4月に身分が変わったことで題名だけ変えたものの、そのままずいぶんご無沙汰してしまった。というわけで私ごとだけど久々の、この題名で初のエントリーを記入してみる。いまはポスドクというある程度自由の利く…

縁あっていまの研究室に

合計6年在籍した研究室を巣立つときが近づいている。この研究室になぜやってきたか、記憶を辿ってみると、学部一回のころのちょっとした縁がきっかけだったように思う。 学部に入ってすぐ、生物学を勉強するサークルに入った。もともとカモノハシが好きだっ…

人に惹かれてこの世界に

2013年は新年早々寝込んでしまい、新年始まって一週間そこそこで去年の累積休日数をオーバーするような事態となり、あまり幸先のよくないスタートとなりました。しばらくぶりの更新になります。これは本業もありますが、公募戦線に参戦しはじめたため、思い…

After the funeral

身の丈を知り、足るを知る人だった。足るを知れば辱めを受けない、というのは誰の言葉だったろう。そういう生き方を通した人だった。質素な家に住み、質素な食事、自ら挿し木で増やした盆栽を楽しみ、川沿いを散歩する。地位や富を追い求めるのではなく、小…

博物館企画展

ふふふ、やっと企画展「陸上脊椎動物の多様性と進化」の準備終了。明日から公開です。 http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/modules/special/content0029.html 自分が担当したのは中央のテーブル(哺乳類の形態的多様性と進化)のデザインと、青海チベット高原…

垣間見える(ような気がする)とき

ある組織を単純に外から見ているだけでは見えないものが、ふと垣間見えたような気がしたとき、その組織に人間的なものを感じて親近感をもつ、そういうことがある。 ある企業の役員さんと雑談しているときに、彼がふと漏らした、社長の下で苦労してるんだよ〜…

中から見るか、外から見るか

年末年始、いろんな人と話題になった(と勝手に思ってる)のだけど、企業にしろ、大学や研究室にしろ、どんな組織であれ、中から見たら、腐りきっているように感じることが少なからずあるのだろうと思う。 けど、そんなでも、外から見たら何かしらの価値を提…

コミュニケーションコストがすべて・断絶を埋める作業

ある個人のした理解・判断について、その人自身がそれを真実であると確信できることと、他人を説得し、納得させられることの間には大きな断絶がある。それは個人に権力の集中したオーナー企業が集団統治のサラリーマン企業にスピードや長期的な戦略で勝る理…

アウトプット至上主義ってどうなんだろ

世の中効率化が叫ばれて、何であれ、結果を出せないものは滅びてしまえと指差される運命にある。 しかし、そういった風潮の中で、どうも短期的な(目に見える)アウトプットばかりが過度に重要視されているような気がしてならないのだ…。 大学の生活にどっぷ…

自動車学校の教え、その2

「ダンプの運転手は恥ずかしがってトレーラーの横に車を付けたがらない」 これ、何かというと、とある運転手さんから聞いたお話。 何年も昔、自動車学校に通っていたある日、送迎のバスで運転手さんと二人だけになったことがあった。彼は昔トレーラーの運転…

出張帰還、自分の外に装置をつくる話

先週と先々週の二週間、P国の先生と2人旅をしておりました。一応先生の付き添い&お手伝いではあるけれど、標本をいっぱい見れたし、いろんな人と話ができたし、なにより先生と割と深い話ができて楽しい旅でした。 歴史や経済、社会のことを議論できるマク…

変さ値教育の弊害

私が小学校や中学校にいたころは、個性を伸ばす教育だとか、いい所を伸ばす教育、みたいなのがはやっていた。知識や学力を身につけさせようという考え方は、詰め込み教育だとか偏差値教育と呼ばれ、過去のものとされていた。当時の教育は、個人の変わったと…

黒澤明「生きものの記録」

原水爆の恐怖におびえ、家族のブラジル行を勝手に進めようとして拒絶される老人の映画。今日的な意義がありそうだと先日先輩が上映したので(途中からだけど)見たのである。 先輩は、とにかく家族の命を守りたいと思う老人の家族愛と、そんなことよりもと財…

円高・愛国的行為

海外からくる、大丈夫?的なメールはそのへんの一般人がいま日本をどう思っているかをよく示しているのである。客員教授の先生は毎日返信しないと家族が心配する…とのことで、滞在先で面倒くさいネットの設定を私とがんばる。さる人は一括返信して宛先を同じ…

ここ数日

自分は京都にいたので無事だった。でも情報を総合すると、自分と家族もこれから影響を受けることになる。もちろん被災地の人ははるかに厳しいことになっているわけで、そういう人たちの存在を考えたら気を引き締めていくほかない。 いま自分がそういった人た…

1日はだれにも平等に24時間…なわけないでしょ

「1日は誰にも平等に24時間与えられている」 とよく言われるが、これは間違いだ。 たとえば、もし自分が奴隷商人に売られてしまったら、自分の時間はほとんどないはずだ。命ぜられるままにタスクをこなす日々が続く。命がけで逃亡するか、こつこつお金をた…

みんなが外向きになったら困るでしょ

「若者は内向き」の欺瞞 すこし前のエントリーだけど、至言だなぁ、と思う。 しかし世間では内向き内向きというが、周りを見ているとあまりそうは見えないんだよなぁ。地方から都市へ、日本から海外へ、資本や企業、そして人がどんどん出て行っていないか?…

これでいいと思えることの大切さ

昨日は客員教授の先生のセミナーと懇親会。それに便乗して、午前中は研究室のメンバーによる、先生への自己紹介を兼ねた研究発表会。丸一日分のセッティングをしていたこともあって、色々不手際はあれど、とりあえず終わって一安心といったところ。レーザー…

地方は日本の「課題先進地」

田舎の不動産の広告を見ていると、一昔前なら考えられなかったような価格で中古の不動産が売りに出されていたりする。真っ当なマンションが金食い虫の古いリゾートマンションみたいな価格で投売りされているのをみると、わずかずつとはいえ人口が減少してい…

いい加減、「研究者個人の自由な発想に基づく研究」って言い方止めないか…

いい加減、「研究者個人の自由な発想に基づく研究」なんて言い方止めないか…?と最近思う。 基礎研究の説明で耳にする機会の多いこの表現。(トップダウン型に対して)ボトムアップ型のプロジェクトを示す言い方として多用されている。けれど、これって一般…

結婚式と、ごみかす会議、ニュートン力学的な人生

昨日は東京で友人の結婚式。紅葉が色づく庭園の横で、いい話を聞いたり、わいわいしたり。いい式だった〜。自分の周りの学部時代の友人では初のゴールインなのでした。友人の研究室の教授も褒めていたように、彼の前途は有望そうだ。そして昨日は良い人と結…

ゼロからの構築、体系の中での進歩

先週の話だけど、大阪で勉強会的なものに出席した。以下、飲み会での話から思ったこと。 先行研究とかそんなの関係ない、ゼロからの構築…。 研究なんてことに興味を持つ人は、誰しもそんなものを目指すんだろう。 でも、科学に限らず、何らかのムーブメント…

思考の分解

人に自分の考えを説明するというのは結構面倒なものである。人間の思考というのは「跳ぶ」のに対し、人間の理解は、思考がうまく共鳴したときを除いて、必ずしも同じだけの跳躍力を持たない場合が多い。 というわけで、結論に至るまでの、自分にとってもブラ…

改めて考えてみると…

さっきノーベル賞の根岸さんの会見を書類書きながら聞いてたんだけど、「(研究の)アイデアを思いついた10年後にそれができるポストに就くことができた」とか言ってた。 世の中そんなものなのかも。自分は欲張りすぎなのかもしれないなぁ。夏に2ヶ月もいい…

研究をする時間

こんな生活をしていると思いもかけない言葉をかけられることがある。曰く、自分の好きなことをしてられていいね、と。 実際のところどれだけ好き好きかというと、そこまででもないと思うのだ。自分のテーマとする研究って、自分がこの世の中にあるべきだと判…

来客

博物館に突然の来客(私にとって)。来たのはアルゼンチン人の研究者さん。話を聞くと、先日アメリカ自然史博物館で会ったアルゼンチン人の研究者と知り合いらしい。 よく知らないまま案内ツアーに行ったのだけど、その人の論文もらって気づいた。私、修士論…

チキンオーバーライスとケバブプレートとANZAC

NYの街角でよく売られていたチキン/ラムオーバーライスやチキン/ラムジャイロ。安くてうまいのでよく食べていました。 そして今日改めて気づいたこと。大学生協の食堂で売られている、"ケバブプレート"、"ケバブラップ"、これがほぼ同じ食べ物だったのでし…